B型肝炎ウイルスの症状については、大きく2つの状態に分けることができます。
その一つが①持続感染という状態です。
持続感染とは?
この状態とは、ウイルスが体内に入り、免疫機能の未熟(免疫力が弱い)がゆえにウイルスそのまま排除されずに体内に留まってしまう状態です。
持続感染状態での症状とは?
上記のような感染状態を「持続感染」といいます。
この状態のうち、約10~15%の人が慢性肝炎を発症します。
そして、持続感染から慢性肝炎となるとどうなるのか?
ですが、症状は出にくいため、気付かない人もいらっしゃいます。
ただし、中には「急性増悪」と言う、一過性の強い障害が出ることもあります。
こうなると急性肝炎と同様に、
- 倦怠感
- 食欲低下
- 褐色尿
- 黄疸
などの症状が現れます。
何にしても、慢性肝炎となると、知らないうちに進行して肝硬変や肝がんになることもあります。
症状がない持続感染と言えども、放っておかずに定期的に検診を受け、場合によっては治療など、経過をしっかり観察することが重要です。
なお、残りの約85~90%については、無症候性キャリアと呼ばれる症状がない状態となります。
この状態でも一時的に症状が出る方もいます。
長引くことなく静まるというのが一般的ですが、同様に定期的な検診は受けた方がいいでしょう。
次に、B型肝炎ウイルスのもう一つの感染状態ですが、②一過性感染と呼ばれるものがあります。
一過性感染とは
B型肝炎ウイルスに感染しても、免疫機能が発達している状態だと症状もなく自然に治癒してしまうものです。
つまり、免疫力がある成人が感染した場合などは、B型肝炎ウイルスに感染しても一過性のものとして症状なく治癒するのが一般的です。
このような状態での感染を一過性感染といいます。
ただ中には急性肝炎を発症してしまう事もあります。
| 症状 | 食欲低下 | 倦怠感 | 褐色尿 | 黄疸など |
|---|
その多くは数か月以内に治癒します。
ただし、急性肝炎が悪化し劇症肝炎へとなる事も少なからずあります。
| 劇症肝炎の症状 | 発熱 | 強い吐き気 | 意識障害など |
|---|
死に至るケースもるため、すぐに治療が必要です。
また、一過性感染の場合でも、免疫力が低下している場合には、治癒せずに持続感染する可能性もあします。
定期的な検診は重要となります。
日常生活での影響と気を付けることは?
肝臓の病気となるため、とにかく肝臓をいたわることが一番です。
そこで、日常生活の注意としては、規則正しい生活をとしてください。
- バランスの取れた食事
- 十分な睡眠
- 適度な運動
誰にでも必要な基本的な事ですが、この基本こそが体にはよく、肝臓にもベストです。
暴飲暴食などでのカロリーの取り過ぎや偏った食事、寝不足や過労による体への負担はNGです。
日常的に適度の運動も取り入れた規則正しい生活さえできれば、特に気を付けることはありません。
なお、具体的な食事や飲酒などについては、別途説明していますので、参考にして下さい。
また、日常生活への影響ですが、症状に気付かないほどのウイルスです。
自身の生活に影響するということはありません。
ただ、何かしらの症状が出た場合には、治療が必要となります。
更に、周囲との関係で言えば、日常生活を送る範囲では周りの方への感染の不安もありませんので、生活への支障はありません。
ただし、性交渉などは例外です。
更に、血液が付着する可能性がある、歯ブラシやカミソリなどを共有するというのも、感染の可能性があります。
スキンシップを図る程度の接触では感染する可能性はないと言えます。
ですから、友人と食事や旅行に行くなど、普通の日常生活が送れます。



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