過去の集団予防接種がB型肝炎の原因に!
1998年頃まで、日本では幼少期の予防接種が学校などの場所で集団で行われていました。
その際の注射器の使用の仕方は、
「注射器を連続して使用する」という現在では考えられないようなずさんな衛生状況のもと行われていたのです。
この連続使用が原因となって多くの方がB型肝炎ウイルスに感染してしまったのです。
予防接種における注射器の扱いについて
昭和33年から注射針を一人一人交換するように国から指導がありました。
これが現場レベルで守られていたかというと微妙でした。
そのため注射筒の交換はされておらず、衛生上、完全なものではありませんでした。
こういった事情もあってB型肝炎ウイルスが蔓延してしまったわけです。
昭和63年になってやっとその危険性が重要視。
注射針と注射筒の両方を一人一人で交換するようにとの指導が入ったのです。
そして、徹底した指導によってウイルスの蔓延は防がれたわけです。
しかし、当時の集団予防接種によってB型肝炎ウイルスに持続感染したとみられる方は、最大で45万人程度いると推測されています。
蔓延したとみられる集団予防接種については、昭和23年(1948年)から昭和63年(1988年)までとされています。
あなたは大丈夫?健康診断を受けましょう!
2017年現在、この対象となる方の年齢は29歳~67歳です。
対象となる方、当時の記憶を甦らせてください!
小学校などで集団予防接種を受けた経験はありませんか?
というのも!
この中にはご自身がB型肝炎ウイルスに持続感染している事に気付いてない方もいらっしゃるからです。
B型肝炎について
このウイルスはインフルエンザなどと異なり、感染したからと言ってすぐに症状がでるわけではありません。
つまり、「症状は出ていないけどウイルスを体内に持っている」という状態の方もいるわけです。
こういった状態の方を「無症候性キャリア」といいます。
自覚症状がないためご自身がウイルスに感染していることに気付かないケースもあります。
職場での健康診断や妊娠した際の検査などによって、初めて自分がB型ウイルスに感染していた事を知った方も多くいます。
なお、誤解を招くといけないので言っておきますが、感染しているからと言って慌てる必要はありません。
多くの場合は、こういった無症候性キャリアの場合、自然に治ります。
一方で自然治癒されず体内で炎症が続いてしまうと「慢性肝炎」となることもあります。
知らないままであったり分かった時に医師の診断を受けずに放置するというのは危険です。
そこで、先ほど説明した昭和23年~昭和63年の間に集団予防接種を受けた方については、まずは健康診断を受けることをオススメします。
そして、もしも感染されていた場合、国に救済を求めましょう!
この集団予防接種による感染については、国がその責任を認めています。
救済制度について
まだご存知の方も少なく、2015年6月までにおいて提訴者数は約1万6千人程度です。
45万人もの感染者がいると推測されているのに1万6000人程度!
救済を求めている方は、まだ全体の約3.5%程度です。
また、この救済金は、B型肝炎訴訟を起こして国と和解して始めて受けられるものとなっておいます。
感染したからといって自動的に支払われるものではありません。
まずはご自身がB型感染ウイルスに感染していないかどうか?
どういった原因で感染してしまったのか?などを知る必要があります!
当時の予防接種を受けて感染していた場合
自身が症状がなく過ごされ自然治癒していたとしても、生まれた子に感染している事もあります(母子感染)。
もちろん、こういった母子感染により感染してしまった子供についても、救済を受けられる対象となります。
そこで、被害者の方が一人で多く救済を受けられるように、救済制度や訴訟については、詳しく各ページでご紹介しております。
是非、ご覧になって参考にしていただければと思います!


