【物損事故の場合の損害賠償請求】被害者が加害者に請求できる範囲!具体的に請求できる費用や補償されるもの一覧

示談成立へ向けて知っておきたい知恵や知識【交通事故の示談】後悔しないためにも知識や交渉術を身につけておく

交通事故には

  1. 人に怪我がある場合の人身事故
  2. 人に怪我がない場合の物損事故

があります。

物損事故を被害者目線でみると、物に対して損害を与えられたことになります。
そのため、後から体のどこかが痛くなって治療することになっても、物損事故のままでは治療費等を加害者に請求することはできません。
また、自賠責保険という保険の適用がないため、加害者が任意保険に入っていない場合には、損害賠償請求するうえで加害者の資力がポイントになることもあります!
ここでは、物損事故の損害賠償請求について、詳しく説明をしていきます。

1. 人身事故と物損事故では損害賠償が異なるの?損害の範囲と保証の違い

例えば、物損事故では自動車が壊れたり、建物にぶつかった際に壁が壊れるケースがありますね。

その損害はどのように賠償されるのか?
人身事故の場合、自賠法(自動車損害賠償保障法)の適用があります。
一方、物損事故では自賠法(自動車損害賠償保障法)の適用がありません。

そのため、自賠責保険による最低限の保証が得られない!という難点があります。

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なぜ最低限の保証である自賠責保険の適用がないのか?
損害を与える対象が人の生命や身体という替えがきかないものではなく、「物」という替えがきく、または金銭換価が可能なものである事も一つです。
しかし、物というのは財産の一つであり、財産権として成立します。
財産権は人権として保障もされています。

当然のように物損事故であろうと損害を被れば損害賠償請求は可能となります。

ただし、人身・生命に損害を受けた場合に比べると劣ります。
そのため、自賠責保険の適用がないのです。

2. 自賠責保険の適用がない場合にはどうなるのか~加害者の任意保険と資力がポイントに

自賠責保険の適用がない物損事故では、加害者の任意保険(対物賠償)の加入が大きなポイントになります。

加害者が任意の自動車保険に加入していれば、車を直すのに要した費用が大きくてもきちんと支払われます。
問題なのは、任意保険に加入していない場合です。
加害者の資力次第では、賠償が受けられないケースもあるのです。
例えば、経済的に困っているような加害者の場合、仮に100万円の損害賠償請求をしても、支払ってもらうことや回収が困難となるのが実情です。
このような場合、被害者自身で負担をするか、または被害者が加入している任意保険を使って修理するしかありません。

3. 物損事故では運行供用者責任の適用もない?責任追求範囲の限定

先ほども説明したとおり、大きな違いとしては、自賠責保険の適用がないことです。
そのため、自賠責法で定められている運行供用者責任の適用もありません。

3-1 運行供用者責任とは?

自動車損害賠償保障法3条 人身事故においての賠償について

「自己のために自動車を運行の用に供する者」= 運行供用者にも賠償責任があると定めています。
これにより、実際に運転していた人(加害者)のみならず、自動車を管理していた人などにも責任の追及(賠償請求)が可能となります。
具体的には、仕事上で会社所有の車を運転することがありますね。

会社の車を使用しているときに事故を起こした場合
⇒会社も責任を負うことになります。

被害者は会社に対しても責任を追及できます。
もしも、加害者が賠償をできない場合などには、会社に賠償してもらうことができます。
このように、人身事故の場合には責任者の範囲が広くなっているのです。
しかし、自賠責保険の適用がない物損事故にはこの適用がないため、職務中の事故であっても加害者にしか責任の追求ができません。

4. 損害を請求できる範囲は?~慰謝料はもらえない

損害を受けられる範囲についても異なる点があります。
交通事故で被害者が受ける損害には、財産的損害と精神的損害があります。
物損事故において認められる損害は、財産的損害だけとなります。
交通事故と聞くと、慰謝料の問題がよくあげられますが、物損事故では、精神的損害=慰謝料が認められる可能性はほとんどありません。

4-1 財産的損害とは?具体的に請求できる費用や補償される物の一覧

具体的に請求できる主な財産的損害については、下記のとおりです。

  • 車両等の修理費用
  • 車両等に買い替えが生じた場合の費用
  • 車両等の評価損(修理して事故者扱いとなるなど型落ちした場合の損害)
  • 代車使用料
  • 休車損(営業用動車(タクシーやトラック)などが稼動できず営業利益を喪失した場合の損害)
  • 遅延損害金

財産的損害は積極損害と消極損害の二つに分けられます。
物損事故では基本的には上記のような積極損害についての請求が可能となります。
なお、以下のような体の一部として機能していたものや、身に着けていたものについては、物損事故であっても自賠責保険の対象になる可能性があります。

  • コンタクト
  • 義歯
  • 義肢
  • メガネ
  • コルセット
  • 松葉杖
  • 補聴器

詳しくは、専門家に相談する事をお勧めします。

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物損事故で請求できる財産的損害とは?

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